錠前とは?シリンダーとの違い・仕組み・種類から交換方法まで徹底解説!
錠前(じょうまえ)とは一体何なのか、ご存知でしょうか?日本語では、差し込んで開け閉めする道具を「鍵(キー)」と呼び、ドアに取り付けられた機械装置を「錠(ロック)」と呼ぶのが本来ですが、普段は混同されがちです。
そのため「錠前って何?」「鍵とどう違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。この記事では錠前の意味やシリンダーとの違い、仕組み、種類、部品構成から、選び方のポイント、取り付け(交換)方法やメンテナンスまで、錠前に関するあらゆる疑問にお答えします。
錠前交換や鍵交換を検討されている方は是非とも参考にしてみてください。
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この記事でわかること
- 錠前の定義とシリンダーとの違い
- 錠前の仕組みや主な種類
- 錠前選びのポイント
- 錠前のDIY交換手順と注意点
- 日常メンテナンス方法や故障原因別のトラブル対処法
目次
錠前の意味と定義|「錠」と「鍵」の違い

まず「錠前」とは何かを明確にしましょう。錠前とは扉などに取り付けられている鍵全体、つまり鍵穴やつまみ(サムターン)、錠ケース、ドアノブ等をまとめた名称です。簡単に言えば、ドアについているロック機構一式が「錠前」ということになります。
一方、「鍵」という言葉は本来は手に持って差し込むキーそのものを指します。しかし日常会話では「鍵をかける」「ドアの鍵が壊れた」というように、ドアのロック機構(錠)まで含めて「鍵」と呼んでしまうことも多いです。
逆に「錠(じょう)」という言葉は、扉に取り付けられた錠前(ロック装置)そのものを意味し、英語では“lock”に相当します。つまり「錠」は装置、「鍵」は道具という違いがあります。 整理すると、錠前=錠(ロック装置)+鍵(キー)のセットを指す場合もありますが、一般には扉に取り付けるロック機構全体を指すと考えてよいでしょう。
身近な例で言えば、玄関ドアの鍵穴部分から内部の仕組み、室内側のつまみやドアノブに至るまで全部含めて錠前です。
錠前とシリンダーの違い

「錠前」とよく比較される言葉に「シリンダー」があります。シリンダーとは一般に鍵穴部分(鍵を差し込み回す部分)の機構を指します。これに対して錠前は前述の通り鍵全体の仕組みを指すので、シリンダーは錠前の一部品に過ぎません。したがってシリンダー=錠前ではなく、シリンダーを交換しても錠前全体を交換したことにはならない点に注意が必要です。
例えば玄関の鍵を交換すると言った場合、多くは防犯性能向上などの理由でシリンダー部分を交換するだけで足りますが、場合によっては錠ケースごと錠前一式を交換することもあります。錠前一式交換ではシリンダーだけでなく錠ケースやドアノブ(ハンドル)など複数の部品を取り換えるため、費用も作業内容もシリンダー交換とは大きく異なります。
一般的な鍵屋さんで「鍵交換」と言うとシリンダー交換を指すことがほとんどですが、「錠前交換です」と案内される場合は部品点数の多い大掛かりな交換になると理解しておきましょう。
ちなみに「錠前一式交換」が必要になるケースとしては、サムラッチ錠(装飾的な玄関錠)でハンドル部分のバネが壊れている場合や、インテグラル錠(ドアノブ一体型の鍵)でシリンダー単体では交換できない構造の場合などがあります。
このような場合はシリンダーだけ替えても解決せず、錠前全体を新調することになります。逆に言えば、通常のシリンダー錠であればシリンダー交換のみで鍵交換が完了するため、費用も抑えられるわけです。
錠前の仕組みと構造

錠前の内部はどのような仕組みになっているのでしょうか。ここでは基本的な鍵と錠前の動作を簡単に説明します。
錠前の仕組み
では、錠前の内部はどのような仕組みになっているのでしょうか。基本的な鍵と錠前の動作を簡単に説明します。 鍵を正しいシリンダー(鍵穴)に差し込んで回すと、シリンダー内部のピンやディスクなどのタンブラーと呼ばれる障害部品が並び替わり、シリンダー(内筒)が回転できる状態になります。シリンダーが回ると、それに連動して錠ケース内部のデッドボルト(本締め用のかんぬき)が動き、ドア枠側の受け金具に出入りすることで施錠・解錠が行われます。
要するに、鍵を回す → 錠前内部でかんぬき(ボルト)が出入りするというのが錠前の基本的な動作原理です。 錠前にはこのほかラッチボルトという部品もあります。ラッチボルトとは、ドアを閉じると自動で斜めの突起がドア枠に引っかかり仮締め(ドアを閉じた状態を保持)をするための部品です。
ドアノブやレバーハンドルを回すと、このラッチが引っ込みドアが開く仕組みです。ラッチボルトは常にバネの力で出入りする構造で、デッドボルトのように鍵で固定するものではありません。多くの錠前ではラッチボルトとデッドボルトの両方が組み込まれ、普段はラッチでドアを閉め、鍵をかけるとデッドボルトが出て完全に施錠する二段構えになっています。
錠前の主な部品構成
錠前は複数の部品から成り立っています。代表的な部品を押さえておきましょう。錠前の種類によって形状は異なりますが、以下は一般的な玄関用シリンダー錠(ケースロック)の例です
- キー(子鍵)
手に持って操作する鍵そのもの。正しい鍵をシリンダーに挿し込んで使用する。 - シリンダー
鍵穴部分の機構。内部にタンブラー(ピンやディスク)があり、正しい鍵でのみ回転して錠ケースに連動する。 - 錠ケース
ドア内部に埋め込まれた金属ケース。デッドボルトやラッチなど施錠機構の本体が収まっている。錠前本体とも言える部分で、扉の側面から見ると長方形のフロントプレートが付いている。 - デッドボルト
錠ケースから出入りする閂(かんぬき)部分。【本締まり】とも呼ばれ、鍵やサムターン操作で出し入れしてドアを完全にロックする。 - ラッチボルト
ドアを閉めるときに自動で出入りする斜め端のボルト。【仮締まり】用。デッドボルトとは別に、ドアノブ操作で引っ込むバネ仕掛けの留め具。 - サムターン
室内側に付いているツマミ。鍵を使わず内側から施錠・解錠するためのもの。親指で回すことからサムターンと呼ぶ。 - ドアノブ/レバーハンドル
ドアの開閉に用いる取っ手部分。室外側と室内側の両方にあり、レバータイプや丸いノブタイプがある。内部のラッチを操作する。 - 丸座(ロゼット)
ドアノブやシリンダーの周囲にある丸い座金(飾り板)。ネジ穴を隠したり見た目を整えたりする役割。 - ストライク
ドア枠側に取り付けられた金具。デッドボルトやラッチボルトを受け止める穴が開いている。プレート状で、ボルトがしっかり掛かる位置に調整して取り付ける。 - トロヨケ
ストライクの内側に設置される箱状の部品。ボルト類が飛び出した際に受けるケースで、枠内部のくぼみを補強し、埃の侵入も防ぐ。
以上が主な部品です。このように錠前は多くのパーツが組み合わさったシステムなので、「鍵穴だけ交換すればOK」という場合と「内部ごと全部交換しなければNG」という場合があります。次では実際にどんな種類の錠前があるのか見ていきましょう。
錠前の種類と特徴

一口に錠前と言っても、形状や用途に応じて様々な種類があります。ここでは住宅の玄関ドアによく使われる錠前の種類を中心に紹介します。
シリンダー箱錠/ケースロック
錠ケースを扉に掘り込んで設置するタイプの錠前です。デッドボルトとラッチボルトが一つの錠ケースに収まっており、扉側面から見ると長方形のフロント(前板)が見える構造です。
キーシリンダーとドアノブ(またはレバーハンドル)が別々についているタイプで、日本の戸建て玄関などで最もオーソドックスに使われています。穴あけが比較的必要ですが、一体型の利点は耐久性と防犯性の両立です。
インテグラル錠(玉座錠)
ドアノブと鍵穴が一体化したタイプの錠前です。球状のドアノブの中心に鍵穴があり、ドアノブ自体を交換することで鍵交換が完了します。比較的古い住宅や室内ドアで使われることが多く、構造が簡略な分コストが低めです。
ただしシリンダー部分だけ交換することができないため、トラブル時は錠前ごと(ノブごと)交換となります。
サムラッチ錠
アンティーク風の装飾ハンドル型の錠前です。親指で押すサムピースと呼ばれるレバーが付いたデザインが特徴で、洋風の玄関扉によく用いられます。内部構造はケースロックに似ていますが、ハンドル部分にバネ機構があり、経年劣化でレバーのバネが切れるなど独特の不具合が起こることがあります。
そのため部品単位の修理が難しく、トラブル時はハンドルごと一式交換となるケースが多いです。見た目は華やかですが、交換コストが高めになる点に留意しましょう。
プッシュプル錠
押す/引く動作で開閉できるハンドル一体型錠前です。ドアノブを握って回す必要がなく、手や肘で押し引きするだけでラッチを操作できるので、小さな子供からお年寄りまで使いやすいのが利点です。
近年建てられた住宅によく採用されており、高級感のある縦長ハンドルと一体化したデザインが多いです。内部的にはやはり錠ケース+シリンダー構造ですが、ドアの厚みやバックセットなど規格が合わないと後付けは難しく、交換費用も高額になりがちです。
引戸錠
和風建具など引き戸用の錠前です。引戸の縦枠(戸先)に設置する鎌錠というデッドボルトが典型で、鎌状の閂がストライク(受け金具)に引っかかってスライド移動をロックします。
ほかに、引き違い戸の中央(召合せ部分)に取り付ける召合せ錠もあります。引戸錠は扉の構造上、後付けや加工が難しいことも多く、専門業者に任せた方が良い錠前の代表です。
錠前の選び方は?

新しく錠前や鍵を選ぶ際には、何を重視するかによって選び方のポイントが変わってきます。ここでは主に防犯性能・価格・利便性の観点から、鍵(シリンダー)選びのポイントを解説します。現在使っている錠前のメーカーや型番によっても選択肢が限られる場合があるので、交換前には現状の確認も忘れずに行いましょう。
防犯性能で錠前を選ぶ
空き巣対策など防犯を最優先するなら、ピッキング耐性の高いシリンダーを選ぶことが重要です。例えば昔ながらのピンシリンダーやディスクシリンダーは構造が単純なため不正開錠されやすく、防犯性が低いとされています。
できれば警察庁などが認定する「CP認定錠」(5分間の侵入抵抗試験に合格した錠前)や、最新型のディンプルシリンダーに交換するのがおすすめです。CP認定錠には製品にCPマークのシールが貼られており、一つの目安になります。
ディンプルキーやロータリーディスクシリンダーなどはピッキングが非常に困難で合鍵複製も制限されており、防犯性が格段に高いです。防犯性能が高い鍵ほど価格は上がりますが、安心を買うという意味で価値のある投資と言えるでしょう。
価格で錠前を選ぶ
コスト重視で選ぶ場合、一般的にはギザギザの刻みキーのシリンダーが安価です。例えば片面がギザギザのピンシリンダーや、古いタイプのディスクシリンダーは5,000~15,000円前後から入手できます。
ただし古いタイプは前述の通り防犯性に難があるため、価格だけで選ぶと防犯面でリスクが伴います。近年人気のロータリーディスクシリンダーは比較的価格を抑えつつ防犯性を高めた製品で、「できるだけ安く、でも安全に」と考える方に支持されています。
価格帯の目安としては、CP認定の高性能シリンダーで10,000円~30,000円台、一方シンプルな刻みキーなら数千円台からあります。自分の予算と必要性能のバランスを見て選びましょう。
利便性で錠前を選ぶ
「鍵を持ち歩くのが面倒」「家族で鍵を共有したい」という場合は、キーレス(鍵を使わない)タイプの錠前がおすすめです。例えばカードキーや交通系ICカード(Suica・ICOCA等)で解錠できる電子錠、テンキーで暗証番号を入力するデジタルロックなどがあります。
これらは物理的な鍵を持ち歩かなくて良いので紛失の心配がなく、施錠忘れを防ぐ自動ロック機能を備えた製品もあります。最近は後付け可能なスマートロック(スマホ連動型)も人気で、工事不要で貼り付けるだけのタイプも販売されています。利便性を重視する場合、電池切れ時の対処方法(非常キーの有無など)も考慮して選ぶと良いでしょう。
その他の選定ポイント
玄関錠を選ぶ際は、現在の扉に適合するサイズかも必ず確認しましょう。扉の厚み、バックセット、ビスピッチなどが合わないと取り付けできません。またデザイン面では、レバーハンドルに交換して開けやすくしたい、色や形状を他の建具と統一したい、といった希望もあるでしょう。
防犯性能・価格・使い勝手・デザインのすべてを満たす製品はなかなか難しいですが、優先順位を決めて選ぶと失敗しにくいです。ホームセンターや専門店の店員、あるいは信頼できる鍵業者に相談すれば、予算や目的に合った錠前をアドバイスしてくれるでしょう。
錠前の交換は自分でできる?

錠前の交換は頻繁に行うものではありませんが、「引っ越したので自分で鍵を交換したい」「古くなった錠前をDIYで付け替えたい」という方もいるでしょう。結論から言えば、錠前の種類によっては自分で交換することも可能です。ただし適合するサイズの製品を選ぶ必要があり、交換作業には注意点も多いです。ここでは一般的な錠前交換の手順とDIYのポイントを説明します。
現状の確認・採寸
まず現在ついている錠前のメーカーや型番を調べ、扉の厚み、バックセット、ビスピッチ、フロントプレートの寸法など主要なサイズを正確に測ります。これを怠ると購入した錠前が扉に合わず取り付けられない原因になります。測ったサイズや型番はメモしておき、ホームセンターのスタッフに相談すると適合製品を教えてもらえます。
交換用び錠前を購入
採寸結果をもとに交換用の錠前セットを購入します。シリンダー錠の場合、錠ケース単体を買うとドアノブが付属しないことがあるため、必要に応じてハンドルセット品を選ぶと良いでしょう。
面付タイプ(掘り込みでない外付け錠)ならハンドルもセットになっているので、レバーか玉座(丸ノブ)かを選択します。購入前に返品規定も確認しましょう(※多くの店で錠前部品は防犯上返品不可です)。
古い錠前の取り外し
ドライバーなど工具を用意し、まず室内側から錠前を分解して外していきます。手順に迷わないよう、外す前にスマホで写真や動画を撮って記録しておくと安心です。一般的には室内側のネジ(ノブやサムターンの固定ネジなど)を外し、シリンダーやノブを取り外します。
次に扉側面のフロントプレートのネジを外し、錠ケース本体を引き抜きます。部品やネジを絶対になくさないよう注意しましょう。
新しい錠前の取り付け
購入した新しい錠前を取り付けます。基本的には外したときと逆の手順で組み込んでいきます。錠ケースを所定の位置に収め、フロントプレートをネジ留めします。次にシリンダーを外側から差し込み固定、室内側からサムターンやノブを取り付けます。各部品をしっかりネジ締めしたら完成です。
最後にドアを開けた状態で鍵とサムターンの動作確認をしましょう。鍵がスムーズに回り、デッドボルトやラッチが正常に出入りするか、歪みがないかをチェックします。不具合があれば一度分解し直し、部品の組み付け順序や締め具合を見直してください。
ドアを閉めて最終確認
開いた状態で問題なく動いたら、実際にドアを閉めて施錠・解錠の確認をします。鍵をかけてみて、ちゃんとドア枠にボルトが噛み合いロックされるか、開錠してドアノブでスムーズに開くかを確かめます。スムーズに閉まらなかったり違和感がある場合、ストライクの位置やネジの締め具合を微調整します。
錠前の交換を自分でする際の注意点

錠前をDIYで交換する際には、以下の点に注意してください。
錠前のサイズが適合するか確認する
錠前ごとに規格寸法が決まっており、一つでもサイズが合わないと取り付けできません。特にケースロック(掘り込み錠)は、新しい錠ケースのサイズが既存の穴に合わないと追加加工が必要になります。加工には専門知識と工具が要るため、サイズが合う製品を選ぶことが最重要です。
購入した錠前は返品できない
前述の通り、錠前部品は一度開封すると返品を受け付けない店が多いです。防犯上、購入者が合鍵を作ってから返品する恐れがあるためです。サイズ間違いに気付いても返品交換できない可能性が高いので、慎重に選びましょう。通信販売で購入する場合も同様です。
賃貸物件の場合は管理会社や大家に連絡しておく
賃貸住宅では、錠前は大家さんの所有物になります。無断で交換すると契約違反になる場合もありますので、必ず事前に許可を取りましょう。交換後、退去時には原状復帰(元の錠前に戻す)を求められるケースもありますので、外した古い錠前は捨てずに保管しておくことをおすすめします。
部品の紛失に注意する
交換作業中、外した細かなネジや部品を絶対になくさないよう作業しましょう。一つでも欠けると正常に取り付けできず、鍵が掛からない事態になりかねません。作業する場所を片付け、外したパーツはトレイに入れるなどして管理してください。
無理な作業は禁物
うまくはまらないからといって力任せに押し込んだりすると、扉を破損してしまうリスクがあります。特に掘り込み型錠前で、既存の穴に収まらない場合に無理やり広げようとすると、扉の強度を損ねたりガラスを割ってしまったりする恐れがあります。自信がない場合や途中で行き詰まった場合は、無理をせず専門業者に依頼する方が結果的に安全で安上がりです。
以上を守れば、DIYでの錠前交換も不可能ではありません。ただし、初めての方には難易度が高い作業であることも確かです。作業中にドアが開かなくなってしまったり、鍵がかからないまま夜を迎えてしまっては大変です。少しでも不安がある場合はプロの鍵屋さんに任せるのが確実でしょう。
錠前のメンテナンス方法

潤滑剤を使用する
鍵を差し込みにくくなったり回りが渋く感じる場合、鍵穴(シリンダー)に専用の潤滑スプレーを使用すると効果的です。ただし油分を含む潤滑油(CRC556など)は厳禁です。油分が埃を吸着して固まり、逆に動きを悪くしてしまいます。
市販の鍵穴専用スプレー(グラファイト粉末やシリコン系潤滑剤)を年に一度程度吹き付けると、内部の摩耗軽減やサビ防止になります。鍵自体に鉛筆の芯(黒鉛)を塗って差し込むという昔ながらの方法も応急処置として有効です。
埃・汚れを取り除く
シリンダー内部に埃や汚れが溜まると、鍵が挿さりにくく抜けにくい原因になります。定期的にエアダスター(空気スプレー)で鍵穴のゴミを吹き飛ばしましょう。玄関ドアの場合、屋外に面しているので砂埃が入り込みやすいため特に注意です。
酷い汚れがある場合はシリンダーを分解洗浄すると改善することもありますが、専門知識が要るので無理せず業者に依頼するほうが安全です。
締まり具合を調整する
鍵は問題なく回るのに、ドアの開閉が渋くなったと感じたらストライク位置の調整を行います。長年の使用でドアや枠が微妙に歪み、デッドボルトやラッチがきつく噛み合いすぎていることがあります。ドアを開けた状態ではスムーズなのに、閉めると固い場合はこれが原因です。
ストライク(受け金具)の取り付けネジを緩め、上下左右に位置を微調整して締め直すことで、滑らかに施錠できるようになります
定期的に点検する
錠前自体の寿命は製品によりますが、一般に10年前後が耐用年数と言われます。長期間使っていると内部のバネが弱くなったり部品が摩耗したりして、防犯性も低下します。
10年以上同じ鍵を使っている場合、一度鍵屋さんに点検してもらい、必要であれば交換を検討しましょう。特に異音がする、動きが重い、内部で引っかかる感触がある等の症状は劣化のサインです。
よくある錠前の故障内容

鍵の不具合や錠前トラブルは突然起こるものです。ここではよくある錠前の故障原因と、発生時の対処法について解説します。症状別に原因の目安があるので、困ったときの参考にしてください。
鍵が空回りして施錠できない
鍵を差し込んで回しても手応えがなく、鍵が開かない(鍵穴ごとクルクル回ってしまう)場合です。これはシリンダー側ではなく錠ケース内部の故障が多い症状です。シリンダーと錠ケースを繋ぐカムが空回りしていたり、錠ケース内の連動部品が破損している可能性があります。サムラッチ錠ではレバーハンドルのバネ切れで同様の空回り症状が起きることも知られています。
対処法はシリンダー自体に異常がないなら、錠ケース側の交換が必要になるケースがほとんどです。個人で直すのは難しいため、鍵業者に修理・交換を依頼しましょう。
鍵が挿さりにくい・鍵が抜けない
鍵穴に鍵が途中までしか入らない、あるいは回せたが鍵が抜けなくなった場合です。これはシリンダー側の不具合と考えられます。原因として、シリンダー内部の汚れや前述した潤滑油の誤使用による埃の固着などが挙げられます。他にも、単純なミスで間違った鍵を差している場合も稀にあります。
対処法はまず無理に力を入れず、可能であればシリンダーにエアダスターを吹きかけゴミを飛ばします。抜けなくなった鍵は、シリンダーを壊さないよう慎重に揺すりながら引き抜きます。潤滑剤(鍵穴用スプレー)を少量吹くのも効果的です。ただし改善しない場合や、内部部品の摩耗が進んでいる場合はシリンダー分解洗浄や交換が必要になります。こちらもプロに任せるのが安全です。
鍵やサムターンが回しにくい
鍵は挿せるが回すのに力がいる、室内側のサムターンも硬い、といった場合です。まず疑うべきはデッドボルトとストライクのかみ合わせ不良です。扉の位置がずれてボルトが枠に擦れていると、閉めた状態で重くなります。扉を開けた状態で鍵を回してみてスムーズなら、これが原因でしょう。
対処法はストライク位置の調整で解決できます。ドア枠側のストライク(受け)のネジを緩め、上下や左右に位置をずらして再固定してみてください。これでスムーズになることが多いです。
一方、扉を開けていても鍵が重い場合は錠ケース内部の劣化が考えられます。内部の歯車やバネが摩耗・破損していると修理は難しく、錠ケースごとの交換になるでしょう。長年使用している場合はシリンダーやノブも寿命が近いことがありますので、この際錠前一式の交換を検討するのも一策です。
鍵で解錠できたのにドアが開かない
鍵は回ってロックは解除されたはずなのに、ドアノブ(レバー)を操作しても扉が開かない場合です。これはデッドボルトやラッチボルト自体の故障が疑われます。例えばラッチボルトが壊れて常に飛び出したまま戻らなくなっていると、鍵を開けてもドアが枠に噛んで開きません。
対処法は扉が開かない状態だと修理も困難なので、まず応急措置として室内側から扉を蹴る等の衝撃で開ける方法があります(ラッチを強制的に外す)。ただし無理は禁物で、ドアや枠を傷める可能性があります。
玄関でこの症状が出ると閉じ込め(閉め出し)事故になりかねないため、発生前の予防が大切です。ラッチの動きが鈍くなってきたと感じたら早めに点検し、必要なら錠前交換をしましょう。万一閉じ込められてしまった場合は慌てずに、窓から出るなど安全を確保してから緊急の鍵開けサービスに連絡しましょう。
錠前の交換にかかる費用相場

錠前の価格は種類や性能によって実に幅があります。部品代だけ見るのか、工事費込みで考えるのかでも変わってきます。ここではおおまかな価格相場を紹介しますので、交換や新規取り付けの際の目安にしてください。
錠前本体の費用相場
一般的なシリンダー錠の交換用シリンダーは3,000~15,000円程度からあります。例えば簡易な面付箱錠なら6,000円前後から、高性能なディンプルシリンダーだと20,000~30,000円するものもあります。
特殊な装飾錠はデザイン代も込みで数万円~100,000円超と高額になる場合があります。具体例を挙げると、面付箱錠(外付けの簡単な補助錠)は6,000~30,000円、インテグラル錠(玉座錠)は3,000~38,000円、サムラッチ錠は11,000~124,000円、プッシュプル錠は40,000~110,000円、引戸鎌錠は4,000~15,000円、と非常に幅広いです。
ご自宅の錠前がどのタイプかで大体の価格帯が決まります。標準的な玄関シリンダー錠(刻みキータイプ)なら10,000円前後、ハイセキュリティ錠なら20,000~30,000円と考えておくとよいでしょう。
錠前交換を鍵屋に依頼する場合の費用相場
鍵の交換を業者に頼むと、作業料金+部品代が発生します。作業料金は内容によって異なり、シリンダー交換だけなら10,000円前後、錠前一式交換になると20,000円以上が相場です。
部品代はこれにプラスされますので、トータル費用は部品価格帯+作業料となります。シリンダー交換のみなら合計20,000~30,000円、一式交換なら40,000~60,000円程度を見込んでおくと安心です。夜間や緊急対応では割増料金になる場合もあります。
DIYで錠前交換をする場合の費用相場
自分で交換する場合、基本的に部品代のみで済みます。ただし前述のようにサイズ不適合で買い直し…というリスクもあるため、確実に一度で成功するなら大幅な節約になります。
例えば部品代10,000円のシリンダーを自分で交換すれば、業者依頼より10,000~20,000円節約できる計算です。ただし失敗した場合に結局業者を呼ぶことになると、余計に費用がかかる可能性もあります。DIYの際はリスクも織り込んで判断しましょう。
まとめ:錠前を正しく理解し、安全で快適な暮らしを
鍵と錠前は私たちの暮らしに密着した存在です。日頃は意識しないかもしれませんが、いざという時に困らないよう、この機会にご自宅の錠前を一度見直してみてはいかがでしょうか。防犯性能の低い古い鍵であれば、思い切って最新の錠前に交換するのも良いでしょう。
困ったときは無理せず専門業者に相談することも大切です。その際は鍵屋の鍵猿がおすすめです。年中無休で対応してくれて、北海道から沖縄までほとんどのエリアに対応しています。緊急時でもクレジットカード決済が可能なのも嬉しいですよね。
実績も豊富で年間10万件の問合せがあり、有名企業や官公庁との取引もあるので安心できますね。今なら1,000円割引クーポンも配布中なので、費用を抑えたい方にもおすすめです。鍵のトラブルでお困りでしたら鍵屋の鍵猿に依頼してみてはいかがでしょうか。
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