全25種類の鍵を徹底解説!特徴やメリット・デメリットをご紹介!

住宅の防犯対策を考える上で、「鍵の種類」を理解しておくことはとても重要です。玄関ドアには様々なタイプの鍵が使われており、それぞれ構造や防犯性能、使い勝手が異なります。
また、玄関以外の窓や室内にも用途に応じた鍵が存在します。本記事では、日本の住宅で使われる代表的な鍵25種類を 4つのカテゴリ に分けて、特徴や用途、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。鍵交換を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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この記事でわかること
- 住宅で使われる玄関シリンダー錠の主な6種類とその防犯性能や特徴
- 錠前8種類の用途やメリット・デメリット
- 電子錠・スマートロックの利便性と注意点
- その他の鍵7種類
- 各鍵の交換時期や選び方、防犯性を高めるポイント
防犯の要となる玄関シリンダー錠
まずは玄関ドアの「シリンダー錠」です。ここでは玄関で使われる代表的なシリンダー錠6種類について説明します。
シリンダーとは?
「シリンダー」とは一般に鍵穴(キーシリンダー)部分を指し、円筒形の中にピンやタンブラーなどの仕掛けが組み込まれています。正しい鍵を差し込むと内部の部品が整列し、シリンダー(内筒)が回転して施錠・解錠できる仕組みです。
玄関ドアにはこのシリンダーと、室内側のつまみ(サムターン)、さらにドアノブや錠ケースなどが組み合わさった「錠前」が取り付けられています。シリンダーの種類によって防犯性能が大きく異なるため、自宅のシリンダーのタイプを知っておくことは防犯上大切です。
ピンシリンダー錠
ピンシリンダー錠は、内部に一直線に並んだ複数のピンで鍵を識別する、もっとも基本的な構造のシリンダー錠です。鍵を差し込むとピンの高さが揃い、正しければ内筒が回転します。鍵(子鍵)の片面だけにギザギザの刻みがあるのが特徴です。
用途
安価でシンプルなため、一昔前から現在まで広く使われてきました。玄関だけでなく安価な錠前や勝手口などにも利用されています。現在市販されている製品では耐ピッキング性能を高めたものも多く、ピン数が6本や7本など増えて防犯性も向上しています。
メリット
構造が単純で価格が安く、鍵の合い鍵作成が容易です。多少鍵が摩耗していても開閉しやすく、合鍵もホームセンター等で比較的安価(数百円~千円程度)に作れます。メンテナンス性も良く、壊れた場合の交換コストも低めです。
デメリット
ピッキングに弱い点が最大の欠点です。ピンが1列しかないため不正解錠されやすく、防犯性は高くありません。また破壊開錠にも弱い傾向があります。古いピンシリンダーは特に無防備で、近年ではより防犯性の高いシリンダーへの交換が推奨されています。
ディンプルシリンダー錠
ディンプルシリンダー錠は、鍵の表面に多数のくぼみ(ディンプル)が刻まれた高性能シリンダー錠です。内部には複数列のピンが配置され、鍵の凹みに対応するピンが上下左右から精密に組み合わさることで開錠します。鍵表面にギザギザが無く、両面に大小さまざまなくぼみがあるのが特徴です。
用途
防犯性の高さから現在の玄関鍵の主流となっています。MIWAやGOALなど主要メーカーから様々なディンプルキーシリンダー(例:MIWA PRシリンダー、GOAL V18など)が発売されており、新築住宅や鍵交換で選ばれることが多いです。
メリット
ピン配列が複雑でピッキング耐性が非常に高いことが最大の利点です。鍵違い数(理論上存在する鍵の組み合わせパターン数)が数億通りにも及び、合鍵の無断作成も特殊な機械と技術がないと困難です。
そのため空き巣対策として安心でき、実際近年の侵入窃盗ではディンプルキーの住戸はターゲットから外されやすいと言われます。また鍵は表裏どちら向きでも差し込める構造が多く、使い勝手も良好です。
デメリット
価格が高めで交換や合鍵作成に費用がかかります。精密な構造ゆえに、鍵穴内部のわずかなホコリや鍵の摩耗でも動作不良を起こすことがあります。また合鍵作成にはメーカーへの発注や専門店での手続きが必要で、即日では作れない場合もあります。高性能ですがデリケートなため、定期的なメンテナンスや潤滑剤の使用などケアが求められます。
ウェーブキーシリンダー錠
ウェーブキーシリンダー錠は、鍵の両面に波状(ウェーブ)に彫られた溝を読み取って開錠するシリンダー錠です。鍵の形状が波打っていることから「彫刻キー」とも呼ばれます。内部構造としてはシリンダー内のサイドバー(側面のピン)がタンブラーをロックしており、正規の鍵を差し込んで波形の溝が完全に一致したときのみサイドバーが外れて解錠できる仕組みです。
用途
耐ピッキング性が高いハイセキュリティシリンダーとして知られ、玄関鍵にも利用されますが、特に自動車の鍵で採用例が多いタイプです。SHOWA(ユーシンショウワ)やWESTなどが製造しており、車のキーで見かけたことがある方もいるでしょう。
メリット
防犯性能が高くピッキングが非常に困難です。専用の溝形状により合鍵作成も難しく、ディンプルキー同様に無断複製されにくい点が魅力です。鍵を差し込む向きも選ばず、表裏どちらでも使えるものが多いです。また独特の形状で高級感があり、耐久性にも優れています。
デメリット
導入コストが高いことが挙げられます。採用している住宅はまだ多くなく、特殊な分だけ交換・修理費用も割高です。また鍵を紛失した際の再発行や複製に時間と費用がかかります。一般家庭ではディンプルキーほど普及していないため、トラブル時の対応業者が限られる点もデメリットと言えるでしょう。
ロータリーディスクシリンダー錠
ロータリーディスクシリンダー錠は、旧式のディスクシリンダー錠を改良して防犯性を高めたタイプのシリンダー錠です。内部に円盤状のタンブラーを備え、鍵を差し込むとタンブラー自体が回転してロックが解除される仕組みになっています。ただし、誤った鍵を挿すと連動するロッキングバーが作動してタンブラーの回転を止める構造で、不正解錠を防いでいます。
用途
ディスクシリンダー錠によるピッキング被害が多発した1980年代以降、その対策品としてMIWAのU9シリンダーなどが代表例です。古い玄関鍵を交換する際に導入されたケースも多く、一時期普及しました。現在でも一部で使われていますが、ディンプルキーの台頭により新規採用は減っています。
メリット
旧来のディスク錠に比べてピッキング耐性が向上しています。正しい鍵以外ではタンブラーが回転しないため、ピック工具で細工されても開けにくく、防犯面が改善されています。また構造が比較的シンプルで価格も中程度のため、導入しやすい防犯シリンダーでした。合鍵作成もメーカー純正キーで対応可能です。
デメリット
最新のディンプルキーなどと比べると防犯性は劣るため、現在ではやや旧式の部類です。複雑精密な機構ではない分、熟練した空き巣には破られる可能性があります。またディスク式特有の経年劣化(内部の摩耗やホコリ詰まり)によって鍵が回りにくくなることもあります。メーカーによっては既に生産終了としている場合もあり、将来的な部品供給に不安があります。
ディスクシリンダー錠
ディスクシリンダー錠は、鍵穴がアルファベットの「く」の字型をしており、内部に円盤状の板(ディスクタンブラー)を並べた構造のシリンダー錠です。鍵の両側面に非対称のギザギザがあり、その形状でディスクの並びを揃えて開錠します。昭和の時代に一般住宅へ広く普及した旧式タイプです。
用途
高度経済成長期(1950~70年代)に建てられた住宅で多く採用されていました。当時は低コストで合鍵も簡単に作れることから、戸建てから団地まで玄関鍵の標準でした。しかし1980年代以降ピッキング被害が増え、防犯上問題視されたため現在ではほとんど生産されていません。
メリット
構造が単純で価格が非常に安い点です。合鍵作成も容易で短時間・低コストで複製できます。またディンプルキーのように精密すぎないため、多少鍵が擦り減っていても回せる寛容さがあります。当時としては使いやすい鍵でした。
デメリット
防犯性能が極めて低いことです。ピッキング工具で内筒を回されやすく、空き巣に狙われがちでした。また破壊にも弱いため、バールなどでこじ開けられるリスクもあります。現存しているディスクシリンダー錠はメーカー廃番品が多く、交換用シリンダーも入手困難です。未だディスク錠をお使いの場合は早急な交換をおすすめします。
マグネットタンブラーシリンダー錠
マグネットタンブラーシリンダー錠は、鍵とシリンダー内部に埋め込まれた磁石同士の反発力を利用して開閉する特殊なシリンダー錠です。鍵にはディンプルキーのようなくぼみがあり、その位置に小さな磁石が組み込まれています。正しい磁石の極性・配置でなければタンブラーが動かず、解錠できない仕組みです。
用途
2000年前後に一部のマンション玄関などで採用例があり、美和ロックのECシリンダーなどが知られていました。しかし現在では主要メーカーは製造を終了しており、流通数は減少しています。
メリット
鍵穴からの通常のピッキング行為では開けられない構造になっている点です。磁石の組み合わせが正しくないと解錠できないため、当時は画期的な防犯シリンダーとされていました。また鍵の表面はディンプルキーに似ており、ギザギザがなく挿しやすいという利点もあります。
デメリット
経年劣化による不具合と特殊工具による突破という弱点があります。磁石は年月とともに磁力が低下し、劣化すると鍵が開かなくなる恐れがあります。また電子機器(スマホやPCなど)に近づけると磁気が影響を受ける場合もあり、管理に注意が必要です。
さらに専門知識を持つ侵入者には専用ツールで比較的簡単に解錠されてしまうケースも報告されています。現在では安全性の観点から新規生産されておらず、今なお使用中なら早めの交換が望ましい鍵です。
玄関に必須!錠前の種類
続いて、玄関ドアに取り付けられる「錠前」の種類について見ていきましょう。玄関ドアには扉の構造やデザインに応じて様々な錠前が使われます。ここでは主な錠前8種類について、その特徴とメリット・デメリットを解説します。
錠前とは?
「錠前(じょうまえ)」とは扉に取り付ける鍵一式の機構を指します。一般的には、鍵穴(シリンダー)と錠ケース、ラッチやデッドボルト、室内側のサムターン、そしてドアノブやハンドルを含めた全体構造を意味します。
簡単に言えば鍵そのもの+鍵を掛ける仕組み全体が錠前です。例えば玄関ドアの場合、ドアノブと一体化した錠前もあれば、別体のシリンダーとラッチを組み合わせた錠前もあります。
錠前は扉の種類(開き戸か引き戸か等)や材質によって形状が異なり、防犯性や使い勝手に影響します。玄関用の錠前を理解しておくことで、鍵交換や修理の際に適切な選択ができるようになります。
面付箱錠
面付箱錠は、ドアの室内側表面に箱型の錠ケースをネジで取り付けるタイプの錠前です。ドアノブ(または取手)とシリンダーが一体化した箱状の装置を扉内側に露出させて固定します。主に集合住宅の玄関ドアで多く見られるスタイルです。
用途
扉を加工して埋め込む必要がなく、後付けもしやすいことから、アパートや団地などの木製・鉄製扉に幅広く用いられています。代表例としてMIWAやGOALの面付錠があり、古い建物では上下2つの箱錠(ツーロック)になっていることもあります。
メリット
扉表面に取り付けるため交換・取付が簡単で、DIYでも対応しやすい錠前です。錠ケース自体が外から見える構造ですが、逆に箱型ケースがバール等でのこじ開けに強く、埋め込み型よりも破壊開錠されにくいという利点があります。そのため防犯性も比較的高めです。また種類が豊富で、安価なものから補助錠用のものまで選択肢が多いです。
デメリット
箱型が室内側で多少かさばるため、見た目やインテリア性では埋め込み型に劣る場合があります。またドアの厚みによって対応製品が限られることや、経年劣化で内部部品が摩耗すると動きが渋くなることがあります。
構造上、扉枠とのかみ合わせ部分(デッドボルトの受け金具)が弱いと、強引にこじ開けられるリスクもゼロではありません。取り付けの際はしっかり固定することが重要です。
本締錠
本締錠とは、ラッチのないデッドボルト(かんぬき)を施錠する専用錠のことです。室外・室内の両側から鍵(またはサムターン)でデッドボルトを出し入れして扉を施錠します。ドアノブが付属しないシリンダー錠単体で、補助錠として用いられることが多いタイプです。
用途
扉を閉じた状態でのみ鍵を掛けることができ、ドアノブによるラッチ機能はありません。したがって、玄関ドアではドアノブ(ラッチ付き錠前)+上部に本締錠という二重ロックで使われたり、勝手口ドアで内外両側から鍵操作できる補助錠として設置されたりします。また、小型の本締錠は門扉や物置、トランクルームなどにも使用されます。
メリット
シンプルな構造で頑丈なデッドボルトを備えているため、防犯性能を手軽に高める補助錠として優秀です。既存ドアに後付けしやすいものも多く、空き巣対策にワンドアツーロック(二重錠)を実現できます。またドアノブと独立しているため、ノブが壊れても本締錠さえ無事なら施錠可能といったセキュリティの冗長性もあります。
デメリット
常時施錠し忘れに注意が必要です。ラッチが無い分、ただドアを閉めただけではロックされず、毎回鍵を回してかんぬきを出す操作を要します。またドアノブが別途必要(もしくは既存ノブにプラスして取り付ける)ため、扉に穴開け加工が増える場合があります。単体で玄関の主錠として使うケースは少なく、あくまで補助的な位置づけです。
ケースロック
ケースロックは、扉内部に埋め込まれた箱型の錠ケースと、外側のシリンダー・内側のサムターンとで構成される一般的な埋込式錠前です。扉の厚み部分に四角いケースを収め、ラッチやデッドボルトを操作する仕組みになっています。外観上はドアノブと鍵穴が別々に配置されているのが特徴です。
用途
現在の戸建て住宅の玄関や勝手口ドアで主流となっている錠前形式です。ドア側面から見ると長方形のフロントプレートがあり、その奥に錠ケースが収まります。外側に鍵穴(シリンダー)、内側にサムターンとドアノブが取り付けられ、ノブを回すとラッチが出入りし、鍵を回すとかんぬきが動作します。
メリット
扉内部に収まるため見た目がスッキリしており、ドアと一体化した頑丈な構造です。強度が高く破壊行為にも比較的耐えるため、防犯面でも標準的な性能を有します。一般住宅の玄関では信頼性の高いケースロック(例:MIWA LA錠やGOALのLXシリーズなど)が広く採用され、交換用部品も豊富です。またサムターンを回すだけで内側から簡単に施錠解錠でき、日常の使い勝手も良好です。
デメリット
内部構造が複雑なぶん、特殊工具による解錠手口も存在します。例えばサムターン回し(ドアに穴を開けて内側つまみを回す手口)や、ドリリング(ドリルで錠ケースを破壊)など、不正開錠の方法が知られています。
これらへの対策として、サムターンカバーを付けたり、補助錠を併用したり、防犯ガラスを用いるなどの工夫が有効です。またケースロックの交換作業は扉加工が必要な場合があり、DIYでの取付は難易度が高めです。
召し合わせ錠
召し合わせ錠(めしあわせじょう)は、引き違い戸用の錠前で、2枚の引戸の重なり部分(召し合わせ部分)に取り付けるタイプの鍵です。戸を閉めた際にちょうど重なる位置に錠ケースと受けが付き、引戸同士をロックします。一般に「引き違い戸錠」や「引戸錠」とも呼ばれます。
用途
和風建具やアルミサッシの引き戸(掃き出し窓や玄関引戸など)に使われます。戸先(扉の端)ではなく、2枚の扉の中央付近でかみ合う形で施錠されるのが特徴です。室内側にサムターン、室外側に鍵穴があり、扉をスライドさせた状態でないと取り付け・取り外しができません。
メリット
引戸同士をしっかり固定できるため、防犯上も引戸が開かないよう役立ちます。比較的簡単な構造で、交換部品もホームセンター等で入手しやすいです。鍵をかけると両扉が連結されるので、風で片方だけ動くといったことも防げ、気密性の確保にも貢献します。
デメリット
単体では高い防犯性を望みにくい点です。引き違い戸全般に言えることですが、ガラスを割って手を入れられれば室内側のサムターンを回されてしまいます。また扉自体もバールでこじ開けられる弱点があります。そのため召し合わせ錠だけでなく、補助的に「戸締まりくん」など追加ロックや、防犯フィルムを窓ガラスに貼るなどの対策が推奨されます。
戸先錠
戸先錠(とさきじょう)は、引き戸の扉端(戸先)と枠に取り付けるタイプの錠前です。引戸の先端に鍵付きの鎌状のデッドボルト(フック)が出て、扉枠側の受け金具に引っかかることで施錠します。その形から「鎌錠(かまじょう)」とも呼ばれ、主に玄関引戸で使われます。
用途
召し合わせ錠と同じく引き違い戸用ですが、こちらは扉の端と枠を固定する方式です。片方の扉の戸先にシリンダーと鎌デッドボルトを内蔵し、もう一方の扉や枠に受けを設置します。戸先錠だけで鍵を完結させている引戸玄関も多くあります。
メリット
扉と枠を直接ロックするため頑丈で、戸の浮き上がりやガタつきを抑える効果があります。鎌状のフックがしっかり噛み合うので、横からの力にも強く、防犯性は引戸錠としては比較的高いです。錠前とシリンダーが一体化しており、メンテナンス部品も一括交換が容易です。
デメリット
部品交換時には扉ごと交換が必要な場合があります。錠前と扉がセットになっているケースも多く、合わないものには付け替えできません。また経年で戸車が下がったりすると鎌がうまく噛み合わなくなることもあり、引戸全体の調整が必要になります。さらに、召し合わせ錠同様にガラス破りや扉のこじ開けには弱いため、補助錠や防犯サムターンなどの併用が望ましいです。
サムラッチ錠
サムラッチ錠は、親指(サム)で押す取っ手型の開閉機構を備えたレバーハンドル式の錠前です。扉の外側に親指で押し下げる「サムピース」があり、それを押すことでラッチが外れて扉が開きます。デザイン性が高く扉全体に装飾が施されていることから、「装飾錠」とも呼ばれます。
用途
洋風の意匠を凝らした戸建て玄関ドアにかつて多く採用されました。真鍮調やアイアン調の重厚な取っ手が付いており、ドアの雰囲気を高級に演出します。親指でラッチを操作する独特の構造で、内側にはサムピースに連動したラッチ機構とシリンダー錠があります。
メリット
デザイン性が高いことが最大の魅力です。エントランスの見栄えを良くし、家の個性を演出できます。鍵としての機能は通常のケースロックなどと同等で、シリンダーを高性能なものにすれば防犯性も確保できます。取っ手が大きく力をかけやすいので、ドアを開閉する際の操作感は良好です。
デメリット
経年劣化による不具合が生じやすい点です。サムラッチ錠は機構が露出しており、長年の使用でサムピースが固くなって押しにくくなったり、押し下げても戻らなくなったりするトラブルが起こります。
また装飾部分の塗装剥がれや錆びも目立ちやすく、メンテナンスが必要です。最近の新築ではあまり採用されておらず、交換部品も限られるため、故障時は別タイプの錠前に取り替えるケースもあります。
プッシュプル錠
プッシュプル錠は、ドアのハンドルを押したり引いたりするワンアクションで開閉できる最新型の錠前です。レバーやノブを回さず、押す・引く動作だけでラッチが作動するため、小さな力でスムーズに扉を開けられます。高齢者や子供にも扱いやすいバリアフリー設計として注目されています。
用途
近年の新築戸建て住宅や高級マンションの玄関ドアによく採用されています。上下に縦長のハンドルがついており、外側から引けば開き、内側から押せば開く(押し開き戸では逆)といった操作性です。ラッチ機構は自動で戻るので、閉めれば自動的に仮ロックがかかります。
メリット
操作が簡単で力の弱い方でも扱いやすい点が大きなメリットです。手荷物がある時でも肘や体で押すだけで開けられる製品もあり、玄関の出入りが快適になります。防犯面でも優れており、上下2箇所にシリンダーを内蔵したダブルロック構造が一般的です。
多くはディンプルシリンダーなど高性能鍵を採用しており、ピッキング耐性も高いです。オートロック機能付きのものもあるなど、利便性と安全性を両立しています。
デメリット
導入コストが高い点です。ハンドル・錠前一体型の高度な構造のため、通常の錠前より価格は割高になります。また扉側の構造も専用設計が必要な場合が多く、古いドアへの後付け交換は困難です(扉ごと交換になるケースも)。さらに複雑な機構ゆえに、万一故障した際の修理費用も高くつく傾向があります。ただしトラブルは少なく耐久性は高いとされています。
インテグラル錠
インテグラル錠は、ドアノブ(握り玉やレバーハンドル)とシリンダーが一体化した錠前です。ノブの中心に鍵穴があり、そのノブ自体を回すことでラッチを操作・施錠する仕組みになっています。玉座(ぎょくざ)式とも呼ばれ、昔ながらの円形の握り玉ドアノブによく採用されてきました。
用途
室内扉向けの空錠とは異なり、玄関や勝手口に使われるインテグラル錠は鍵付きのドアノブです。内側にサムターン、外側に鍵穴付きノブがあり、一体構造なので部品点数が少なくシンプルです。アパートの玄関や戸建ての勝手口ドア、小屋や倉庫のドアなどでよく見られます。
メリット
構造がコンパクトでコストが安いことがメリットです。ドアノブひとつで施錠までこなせるため、取付も比較的簡単で交換部品も安価に手に入ります。また一体型ゆえに部品の紛失も少なく、メンテナンス性も悪くありません。防犯性に不安がある場合でも、交換時にシリンダー部分をより防犯性の高いものに変更した製品にすることで、ある程度向上させることが可能です。
デメリット
防犯性能は高くない点です。多くのインテグラル錠はピンシリンダーや古い構造のシリンダーを内蔵しており、ピッキングや破壊開錠への耐性は低めです。またノブごと外してしまう手口(ノブ抜き)も存在し、防犯面ではケースロックなどに劣ります。
さらにドアノブと鍵穴がセットのため、どちらか一方の不具合でもノブ丸ごと交換が必要になるなど、寿命が来ると交換対応となります。集合住宅では近年ディンプルキー内蔵型のインテグラル錠も出ていますが、基本的には補助錠の併用などでカバーしたほうが安心です。
最新技術で快適・安心!電子錠&スマートロック
ここからは電子錠やスマートロックと呼ばれる最新型の鍵について紹介します。従来のように物理的な鍵穴に鍵を差し込むのではなく、暗証番号やICカード、指紋、スマートフォン連携などで施解錠するハイテクな鍵です。
鍵を持ち歩く手間が省けたり、遠隔で施錠確認ができたりと便利な機能が魅力ですが、一方で電源や機械に依存するリスクもあります。主要な4種類について仕組みとメリデメを見てみましょう。
暗証番号型電子錠
暗証番号型電子錠は、ドアに設置されたテンキーに事前登録した番号を入力することで解錠するタイプの電子錠です。鍵を携帯する必要がなく、正しい数字コードを知っている人だけが開けられる仕組みです。
用途
住宅だけでなくオフィスや貸別荘などでも広く導入されています。4桁~6桁程度の暗証番号を設定し、扉横のテンキーパッドに入力します。電池式の後付けテンキー錠も市販されており、既存のドアにも比較的簡単に取り付け可能です。
メリット
鍵を持ち歩かなくて良いので、家族全員分の鍵を用意したり、毎回カバンから探す手間が省けます。番号さえ共有すれば誰でも開けられるため、子供の帰宅時や来客用に臨時の番号を教えるなど運用も柔軟です。
ピッキングの心配がなく、暗証番号を一定回数間違えるとロックアウト(一時使用不可)になるなどの機能もあり、適切に管理すれば防犯性も高く維持できます。また物理的な鍵を紛失するリスクが無い点も安心です。
デメリット
暗証番号の漏洩・忘れるリスクがあります。番号を他人に知られたり、押す指の跡から推測されたりすると不正解錠の恐れがあります。また番号を忘れてしまうと自分でも開けられません。さらに電子式のため電池切れや故障にも注意が必要です(多くの製品は電池残量警告や非常用電源端子が用意されています)。
加えて、設定した番号を定期的に変更する手間もあります。総じて利便性とトレードオフで、セキュリティ管理を怠らないよう気をつける必要があります。
リモコン・カード型電子錠
リモコン・カード型電子錠は、物理鍵の代わりに専用のリモコン送信機やICカード・タグを用いて解錠する電子錠です。近距離無線(RFIDやBluetooth)などで錠前に信号を送り、鍵穴に触れずに施解錠ができます。
用途
マンションのエントランスやオートロック、ホテルのカードキーなどで馴染みのある方式です。住宅用では、MIWAやALPHAといったメーカーから後付けできるリモコンキーが販売されています。リモコンボタンを押すと遠隔で解錠でき、カード型の場合はカードやキーホブを錠前のリーダー部にかざして解錠します。
メリット
鍵穴が存在しないためピッキング被害の心配がありません。また、リモコンタイプならポケットやバッグに入れたままでもボタン操作で解錠でき、雨の日でもスムーズです。
カードキーもタッチするだけで開けられ、操作性に優れます。合鍵を勝手に作られる恐れもなく、紛失時には登録抹消すれば拾われても悪用されにくいです。複数人が利用する場合でも各自にカードを配布でき、管理が容易です。
デメリット
リモコンやカードの紛失・故障リスクがあります。リモコンの電池が切れると動作せず、カードも磁気不良やICチップ故障で反応しなくなることがあります。そうなると玄関を開けられなくなってしまうため、電池交換やカード管理に注意が必要です。
またリモコンやカード自体を落としてしまうと、第三者に拾われて悪用されるリスクもゼロではありません(紛失に気付いたらすぐ利用停止設定をする必要があります)。さらに初期導入費用がやや高価で、機種によっては工事が必要なものもあります。
指紋認証型電子錠
指紋認証型電子錠は、人間の指紋情報を鍵として登録し、登録された指紋を持つ指で触れることで解錠する電子錠です。生体認証を利用した鍵で、登録者本人以外には基本的に開けられない高いセキュリティ性能を誇ります。
用途
近未来的なイメージがありますが、既に家庭用にも指紋錠は登場しています。玄関ドアの取っ手や壁面に指紋センサーを設置し、あらかじめ家族の指紋を数件登録しておきます。ドアを開ける際にはセンサーに指を当て、照合が一致すれば解錠されます。
メリット
鍵を持ち歩く必要が一切なく、家族間で鍵を共有する手間もありません。何より同じ指紋の人は存在しないため、他人が開けることは極めて困難です。偽造も非常に難しく、ピッキングや合鍵の心配も不要です。
複数人の指紋を登録できるので家族全員が利用でき、誰が開けたかのログ管理機能がある製品もあります。生体情報を使うため利便性と防犯性が両立した理想的な鍵と言えます。
デメリット
指紋が使えない場合のリスクがあります。例えば指先に怪我をして傷や絆創膏があると認証されなかったり、極度に指が乾燥していると読み取りエラーになることもあります。また登録者自身が不在の場合(緊急時に他人が入る必要があるなど)には解錠できない懸念があります。
そのため非常用の物理鍵や別の認証手段を備える製品も多いです。機器の価格も高価で、電気的な故障に備えて定期的な点検が必要です。便利ではありますが、100%安心というわけではなく、バックアッププランを用意して使うことが望ましいです。
スマートロック
スマートロックは、スマートフォンやインターネットを活用して施解錠を行う最先端の鍵システムです。主にBluetoothでスマホと連携するものが多く、ドアに取り付けたスマートロックデバイスをスマホアプリで操作して鍵の開け閉めを行います。Wi-Fi経由で遠隔操作や状態確認ができる製品もあり、IoT時代の鍵と言えるでしょう。
用途
後付け型の商品が豊富で、現在あるサムターンに被せて取り付け、電子的にサムターンを回す仕組みのものが人気です。スマホを持って近づくだけで自動解錠したり、離れると自動施錠するモデルもあります。家族以外にも、スマホアプリ上で一時的な電子鍵を発行して友人や業者に共有する、といった使い方も可能です。
メリット
玄関の閉め忘れ確認や遠隔操作ができるのが最大の魅力です。外出先でもスマホで「ちゃんと鍵を閉めたかな?」と確認でき、必要ならリモートで施錠もできます。また子供に物理鍵を持たせたくない場合でも、スマホさえ持っていれば家に入れるので安心です。
鍵の開け閉め履歴が残る機能もあり、防犯管理にも役立ちます。さらに物理的な鍵穴を使わないためピッキングされる心配もなく、利便性と安全性が非常に高いシステムです。
デメリット
デジタル機器に依存するリスクがあります。スマートフォン自体を紛失・故障した場合や、通信環境が悪い場所では開錠操作ができなくなる恐れがあります。また機器の電池切れにも注意が必要で、残量が少なくなるとアラートが出ますが、交換を怠ると動作不能になります。
さらにインターネット経由で操作できる製品では、ハッキングや不正アクセスのリスクもゼロではありません(各社とも暗号化通信や認証強化で対策していますが)。便利さゆえに、セキュリティ設定(解錠コードの共有制限や有効期限設定など)をしっかり行って使うことが重要です。
玄関以外でも安心を支える多彩な鍵
家の防犯は玄関だけでなく、窓や室内ドアなど家中の様々な場所に適した鍵を使うことで高まります。最後に、玄関以外で使われる代表的な鍵7種類を紹介します。窓のロックやトイレの鍵、南京錠など、日常で見かけるこれらの鍵の特徴や注意点も押さえておきましょう。
円筒錠
円筒錠(えんとうじょう)は、丸い握り玉(円筒形ノブ)と鍵穴が一体化したタイプの簡易錠です。ドアノブ部分が丸い筒状で、その内部にラッチ機構と鍵(またはボタン式ロック)が組み込まれています。外側のノブに鍵穴があり、内側ノブには施錠用のボタンやサムターンが付属しています。
用途
主に室内扉や勝手口扉に使われます。例えばトイレや浴室以外の部屋のドア(寝室など)で鍵をかけたい場合や、屋外勝手口に簡易な鍵として設置されることがあります。ノブを回すと三角形のラッチボルトが出入りして扉を仮固定し、内側ボタンを押すとノブが空転してロックされる仕組みです。
メリット
安価で取り付けや交換が容易な点です。ホームセンターなどでセットが手に入り、ドアに穴さえあれば自分で取り替えることも可能です。構造がシンプルなので故障しにくく、サイズが合えば別メーカー品でも交換できる汎用性があります。また、鍵を閉める際は内側ボタンを押すだけと手軽で、外からは鍵でしか開かないため最低限のプライバシーは確保できます。
デメリット
防犯性は極めて低いです。ラッチボルトのみで固定しているため、クレジットカード等を隙間に差し込めば解錠(いわゆる「バール開け」ならぬサムターン回しではなくノブ回し)ができてしまう場合があります。
さらにノブごと工具で破壊することも容易で、外部に面した勝手口で円筒錠のみだと空き巣に狙われやすく危険です。そのため勝手口には補助錠を追加するか、防犯性の高いシリンダー錠に交換することが推奨されます。室内利用でも強い力でノブを回されると壊れることがあり、安全面では頼りない鍵です。
クレセント錠
クレセント錠は、主に窓に取り付けられる半円形(クレセント型)の留め金です。左右の引き違い窓の重なる部分に設置され、取手を回転させることで窓のフレーム同士を締め付け固定します。その形が三日月(クレセント)に似ていることからこの名があります。
用途
窓や勝手口扉の内側に標準装備されています。一般的なアルミサッシ窓には必ず1つは付いており、閉めた窓同士を仮締めする役割です。窓の気密を保ち、風でガタついたり開いたりしないようにするためのもので、防犯というより戸締まりの基本機能に近い位置づけです。
メリット
操作が簡単で直感的に使え、窓を確実に閉められます。構造が単純なので壊れにくく、万一破損しても部品交換が容易です。また、戸締まり確認が目視でできる(取手の向きで施錠状態が分かる)ため、誰でも扱いやすい利点があります。安価で全ての窓に普及しているため、家中の窓を一斉に施錠する場合にも手間取らず便利です。
デメリット
単体では防犯性能が低い点です。クレセント錠は内側からしか操作できませんが、裏を返せば窓ガラスを割られると外からでも簡単に開けられてしまいます。実際、空き巣は窓ガラスを破ってクレセント錠を回し侵入するケースが多いため、補助錠(サッシ用補助ロック)や防犯フィルムとの併用が強く推奨されます。
また古いクレセント錠は経年で緩んでしまい、完全に固定できず隙間ができることもあります。定期的に状態をチェックし、緩い場合は調整や交換を行いましょう。
間仕切錠
間仕切錠(まじきりじょう)は、室内側からのみ施錠できる簡易的な鍵の一種です。ドアノブやレバーハンドルに内蔵されたボタンやツマミを操作すると、扉をロックすることができます。一般的に浴室やトイレなど、家族内のプライバシー用に設置される鍵です。
用途
浴室やトイレのドアに使われる場合、内側にひねりツマミ(もしくは押しボタン)があり、外側には鍵穴が無いシンプルな構造です。鍵穴がないため外からは施錠できず、中にいる人が使用時だけロックをかける間仕切り用途となります。ドアノブ一体型やレバーハンドル一体型が多いです。
メリット
構造が簡単で壊れにくく、誰でも直感的に使える点です。鍵を持ち歩く必要もなく、うっかり閉じ込められる心配もほぼありません。また製品コストも安価で、住宅の室内ドアには標準的に採用されています。プライバシー保護には十分で、例えばトイレ使用中に家族が開けてしまう事故を防ぎます。
デメリット
室外からは鍵がかかっているか判断しづらいことです。表示窓(後述する表示錠のような「使用中」サイン)が無いタイプでは、外から見ただけでは施錠中か分かりません。そのためノックするなどの確認が必要になります。
また非常時対応として、ドア外側にコインなどで回せる溝が付いている場合が多く、硬貨等で簡単に開けられてしまう点はデメリットでもあり安全面でのメリットでもあります。要するに防犯目的ではなく、簡単に開けられる構造なので、外部に面したドアなどには決して使えない鍵です。
表示錠
表示錠は、間仕切錠に「使用中/空室」を示す表示窓が付いたタイプの鍵です。トイレのドアでよく見かける緑色(空)と赤色(使用中)の表示が出る錠前で、誰かが使用中かひと目でわかるようになっています。仕組み自体は間仕切錠や円筒錠に近いです。
用途
トイレや更衣室など、占有状況を外から確認したい扉に使われます。室内側にボタンやつまみがあり、それを操作すると同時に扉外側の小窓に「使用中」「空き」の表示板が連動して現れます。家庭用トイレではレバーハンドル一体型の表示錠が一般的です。
メリット
外からでも使用中かどうか判別できるので、ノックの手間や気まずさを減らせます。誰かが入っているのにドアノブをガチャガチャしてしまう失礼も防げます。構造は円筒錠や間仕切錠と似ているため、使い方は簡単で信頼性も高いです。もちろん内側からワンタッチで施錠でき、プライバシーも守られます。
デメリット
防犯目的ではないため、非常用にコイン等で開錠可能な点は留意が必要です。例えば小さなお子さんが中から鍵を掛けて出られなくなった際など、外側から10円玉などで溝を回せば解錠できるよう作られています。
そのため外部向けの扉には使用不可です。また、表示窓の機構がある分やや複雑で、長年使うと表示板がずれて正しく表示されなくなることもあります。その際は調整や交換が必要です。
ウォード錠
ウォード錠は、古くからある伝統的な鍵の一種で、錠前内部に「ウォード」と呼ばれる障害板を設け、特定の形状の鍵だけがその障害を避けて回ることで開閉する仕組みの鍵です。いわゆる古風な鍵穴に挿す鍵(先端が左右非対称のひねり鍵)で、宝箱やタンスなどに使われた歴史があります。
用途
防犯というよりは装飾的・インテリア的な用途で現代では用いられています。古風な机の引き出し、アクセサリーケース、小型の宝箱、アンティーク調の南京箱などで見られることがあります。原理自体はシンプルなので、自作の小箱に組み込むこともできます。
メリット
デザイン性に優れ、レトロで趣のある鍵を演出できる点です。鍵そのものの形状も凝ったものが多く、コレクション性があります。また構造が単純なので、小さな物入れのロックに適しており、量産品としてコストも安く提供できます。歴史的にも古代ローマ時代に原型があると言われ、長く親しまれてきた形式です。
デメリット
防犯性は低いです。内部構造が単純ゆえにピッキングや破壊が容易で、重要な扉の鍵には現代では使われません。細工を凝らせば複雑化できますが、それでもディンプルキーなど現代のシリンダーに比べれば桁違いに簡単に開けられてしまいます。
また古い家具などでは鍵自体が紛失してしまい、開けられなくなるケースもあります。その場合も解錠は難しくなく、作りが分かればリプレイスキーも比較的容易に作れます。つまり、あくまで装飾・趣味的な鍵であり、防犯を期待してはいけないタイプです。
南京錠
南京錠(なんきんじょう)は、U字型の金属シャックル(かんぬき部分)と鍵穴付きの本体からなる、持ち運び可能な錠です。扉やチェーンに通して使うことができ、鍵をかけたい場所に自由に取り付けられる汎用性の高さから、古くから親しまれています。
用途
門扉や簡易金庫、倉庫の扉、ロッカー、スーツケースなど様々な場面で使われます。本体に小さな鍵穴があり、付属の子鍵で施錠・解錠する「鍵式タイプ」のほか、番号ダイヤルで開ける「ダイヤル式タイプ」もあります。アウトドアでもチェーンロックや収納ボックスの施錠に利用されるなど用途は広範です。
メリット
持ち運び可能で使いたい場所に気軽に鍵を追加できるのが最大のメリットです。例えば仮設の門やゲート、工事現場の資材置き場など、固定の鍵を付けられない所にも南京錠を掛ければ施錠できます。
また、子鍵式の場合は鍵を差し込まずにパチンと押し込むだけで施錠できる製品が多く、扱いやすいです。価格もピンキリで安価なものから頑丈な高級品まであり、用途に合わせて選べます。
デメリット
紛失と脆弱性のリスクがあります。南京錠本体や付属鍵は小さいため、失くしやすいのが難点です。特に子鍵を無くすと開けられなくなりますし、本体ごと外して保管を怠ると盗まれて別の場所に勝手に施錠される悪戯被害例もあります。
また安価な南京錠は不正開錠に弱く、バールやボルトカッターで切断されたり、ピッキングや鍵穴破壊で開けられてしまったりしがちです。高価な貴重品を南京錠だけで守るのは危険であり、あくまで簡易ロックに留め、重要物には他の手段を併用すべきです。
ダイヤル錠
ダイヤル錠は、あらかじめ設定した数字や記号の組み合わせをダイヤルで揃えることで解錠する鍵です。小型のものは郵便受け(郵便ポスト)によく使われ、大型のものは金庫の扉などに使われます。鍵穴がなく番号さえ合えば開く仕組みです。
用途
集合住宅の郵便受けには三桁ほどの数字を合わせる小さなダイヤル錠が標準装備されていることが多いです。また、手提げ金庫や業務用大型金庫では右左に回す円盤式のダイヤル錠が伝統的に使われています。スーツケースのロックや、自転車チェーン錠にも数字ダイヤル式があります。
メリット
鍵を持つ必要がなく、番号さえ覚えていれば良い点です。複数人で共有する場合も番号を知らせておけば各自開けられ、鍵の受け渡しが不要です。物理的な鍵を紛失する心配もありません。
ポストの簡易錠としては十分な利便性で、一度設定すれば何年も変えずに使える気軽さもあります。金庫の大型ダイヤルは組み合わせ数が多く設定次第で非常に高いセキュリティを実現できます。
デメリット
暗証番号の管理が課題です。番号を忘れると自分でも開けられなくなり、リセットや破壊が必要になります。また小型ダイヤル錠は構造上セキュリティが低く、工具を使ったり隙間から覗いたりすれば解錠できてしまう例もあります(郵便受けの盗難など)。
数字の合わせ方(何回転して左右に回すか等)を間違えると開かないこともあり、慣れないと手間取る場合もあります。大事なものを守る用途では、ダイヤル錠単独では不安が残るため、補助鍵や警報装置との併用なども検討すべきでしょう。
まとめ
玄関鍵から窓のクレセント錠、最新のスマートロックまで、住宅で使われる鍵にはこれだけ多彩な種類があります。それぞれ構造や特徴、メリット・デメリットが異なり、防犯性や利便性も様々です。
鍵交換を検討する際は、現在お使いの鍵がどのタイプかを把握し、求める防犯レベルや使い勝手に応じて適切な種類を選ぶことが大切です。 特に、古いディスクシリンダー錠やマグネット錠など防犯性能の低い鍵をお使いの場合は早めの交換がおすすめです。
逆に最新の電子錠やスマートロックは便利ですが、電子機器特有のリスクも理解した上で導入しましょう。 鍵は日々の安全を支える重要な設備です。今回紹介した25種類の特徴を踏まえ、ご家庭に最適な鍵を選んで安心・快適な暮らしを実現してください。
必要に応じて専門の鍵業者に相談し、防犯性と利便性の高い鍵への交換を検討することもトラブル予防につながります。その際は鍵屋の鍵猿がおすすめです。年中無休で対応してくれて、北海道から沖縄までほとんどのエリアに対応しています。緊急時でもクレジットカード決済が可能なのも嬉しいですよね。
実績も豊富で年間10万件の問合せがあり、有名企業や官公庁との取引もあるので安心できますね。今なら1,000円割引クーポンも配布中なので、費用を抑えたい方にもおすすめです。鍵のトラブルでお困りでしたら鍵屋の鍵猿に依頼してみてはいかがでしょうか。
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