古いドアノブは交換した方が良い?ドアノブの種類や特徴を解説!

ドアノブには耐久年数があり、長年使用していると不具合が発生してしまいます。ドアノブが故障してしまうと、最悪の場合閉じ込められてしまって非常に危険です。
そこで本記事では、古いドアノブは交換した方が良いのか、ドアノブの名称や特徴などを解説します。長年同じドアノブを使用している、最近ドアノブの調子が悪くなってきた方は是非とも参考にしてみてください。
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この記事でわかること
- ドアノブの名前や特徴
- ドアノブのトラブルが起きたときの対処法
- ドアノブを自分で交換する方法
目次
古いドアノブの種類と特徴
古いドアノブといっても、今使っているドアノブが古いのかどうか分からない方がほとんどだと思います。ここではドアノブの種類や特徴について解説します。
古いドアノブとは?
古いドアノブとは、主に昭和から平成初期にかけて使われていたタイプのドアノブを指します。古い住宅では、握り玉タイプと呼ばれる丸い形状のドアノブが主流でした。
例えば大正時代には白い陶器製ノブと箱錠が組み合わさった「白玉錠」という製品が登場し、それ以降に取付が簡単な円筒錠が普及して、握り玉タイプが一般家庭の標準となっていきました。古いドアノブは現在のレバーハンドル式と比べデザインは素朴ですが、当時の住宅に広く使われていた歴史があります。
一方で、古いドアノブには現代のものに比べて防犯性や利便性の面で劣る部分もあります。例えば古い玄関ドアに使われている円筒錠は、ラッチボルトだけで施錠する簡易な仕組みのため防犯性が低いです。
握り玉を回せなくするだけでロックする構造のため、外部から解錠されやすかったり壊されやすかったりします。そのため玄関や勝手口に円筒錠が付いている場合、補助錠の追加やより安全な錠前への交換がおすすめです。
ドアノブの代表的な種類
ドアノブにはいくつか種類があります。代表的なものを挙げると以下の通りです。
円筒錠・インテグラル錠
丸いノブを握って回すタイプです。外観は似ていますが細かい構造で2種類に分かれます。円筒錠はノブの中心にボタン式の内鍵が付いたタイプで、ドア側面のラッチボルトだけで施錠します。
インテグラル錠は見た目は円筒錠に似ていますが、ノブ中央に鍵穴があり内側にサムターン(つまみ)が付いたタイプです。どちらも古い室内扉や簡易な施錠が必要な場所で使われ、防犯性能はあまり高くありません。
玉座錠
握り玉式ドアノブの一種で、シリンダー(鍵穴)とノブが一体化したタイプの総称です。昭和30年代以降に普及し、室内のトイレや浴室などで広く使われました。玉座錠は基本的に内側からだけ鍵をかける構造で、外側からはコイン等で非常開錠する穴が付いたものが多いです。
箱錠
古い玄関ドアの中には、ノブとは別に箱錠と呼ばれる箱型の錠前を組み込んだタイプも使われました。ノブを回すとラッチボルトが動き、別途鍵でデッドボルト(かんぬき)を操作する本格的な構造で、防犯性は高いのが特徴です
。大正から昭和期の洋館などで見られるサムラッチ錠(親指で押す飾り取っ手型の錠前)も、この箱錠の一種です。サムラッチ錠は1980~90年代に流行しましたが、経年劣化でプッシュプル錠などに交換され、現在では製造中止のメーカーも多い古風なタイプです。
表示錠・間仕切錠
室内のトイレ・浴室の古いドアノブでは、使用中表示が付いた表示錠や、鍵のない間仕切錠も代表的です。表示錠は内側につまみと外側に「空/閉」の表示窓があり、握り玉や小さなレバーで施錠します。古い住宅では子供でも扱いやすいよう握り玉型が使われましたが、近年は表示錠もレバーハンドル型が主流です。
以上のように、古い家には握り玉式の玉座錠を中心に、当時普及していた様々なドアノブが使われています。特に古い和風住宅や昭和の家では握り玉式が圧倒的に多く「日本のドアノブの主流だった」ため、今でも古い建具にはそのまま残っていることが多いです。
古いドアノブに起こりやすいトラブルと原因
冒頭でご紹介したように、長年同じドアノブを使用すると故障などトラブルが起きてしまうことがあります。ここでは、古いドアノブに起こりやすいトラブルと原因についてご紹介します。
ドアノブの緩み・グラつき
長年使ったドアノブで最も多いトラブルが、緩み(ぐらぐらする状態)です。原因のほとんどは、固定ネジのゆるみにあります。ドアノブは内側と外側からネジで固定されていますが、開け閉めの衝撃や長年の使用でネジが少しずつ緩んでいくと、ノブや台座(丸座)がガタガタと動くようになります。
特に古いドアノブは一度も締め直しされず放置されていることが多く、そのぶん緩みが蓄積しているケースが多いです。
また、ノブではなくラッチボルト部分がぐらつく場合もあります。これはドア側面のフロントプレート(ラッチボルトを覆う金属板)を留めているビスの緩みが原因です。ドアを開け閉めするたびにフロントプレートがわずかに動いていると、次第にビスがゆるんでラッチボルトごとガタつく状態になります。
さらに経年で木製ドア自体が痩せ、ネジ穴が広がってネジが効かなくなることも一因です。この場合ネジを締めてもまたすぐ緩むため、応急措置としては穴に爪楊枝や割り箸を詰めてネジのかみ合わせを良くする方法があります。いずれにせよ、ドアノブの緩み・グラつきは「ネジのゆるみ」が原因になっている可能性が高いです。
ドアノブが固く回らない・回しにくい
古いドアノブを回そうとしたら固くて動かない、引っかかるという症状もよく起こります。その主な原因として考えられるのは次のとおりです。
内部へのホコリ・ゴミの蓄積
ドアノブ周りの隙間から埃や小さなゴミが入り込み、錠ケース内で詰まって動きを妨げることがあります。古いドアノブほど内部に汚れが溜まりやすく、動作不良の原因になります。
潤滑油切れ
本来ドアノブ内部にはグリスなどの潤滑剤が塗られていますが、長年経つと乾燥して切れてしまいます。潤滑が不足すると金属同士が摩擦で引っかかり、ノブの回転やラッチの動きが渋くなります。
ネジのゆるみ
前項と同様、内部のネジ緩みによりノブの回転力がうまく伝わらず固く感じる場合があります。緩んだネジが邪魔をしているケースも考えられます。
部品の経年劣化
長年の使用で内部パーツ(ラッチのバネ、ロック部品など)が摩耗・破損していると、正常に噛み合わず動かなくなります。
内部のサビ
湿気の多い浴室扉などでは、内部が錆び付いて固着することがあります。
以上のように、汚れ・潤滑不良・ゆるみ・劣化が複合して動きが悪くなることがほとんどです。
例えば「鍵をかけていないのにノブが動かない」という場合、経年劣化やパーツ故障・潤滑不足などが原因で、清掃や給油で直るケースもあります。 なお注意点として、潤滑剤は適切なものを使用する必要があります。鍵穴用のシリコンスプレーや専用潤滑剤を使い、クレ556や食用油などは絶対に使わないでください。不適切な油分はホコリを呼び込み逆に動きを悪化させるためです。
ドアノブが空回りして開かない
ドアノブを回しても手応えがなくくるくる空回りしてしまい、ドアを開けられないトラブルも発生します。空回りする原因は、内部の駆動部品の破損です。
具体的には、ノブとラッチを繋いでいる角芯という金属棒が劣化して折れたり、錠ケース内の連動部品が壊れたりして、ノブを回す力がラッチに伝わらなくなっている状態です。 例えば長年使った玄関ノブで発生しやすく、角芯が折れている場合はノブを外した時に判明します。
角芯側に問題がなければ錠ケース(ドア内部側)の故障となり、この場合は錠前ユニット自体の交換が必要です。いずれにせよ空回りは完全な故障状態なので、応急処置が難しいトラブルと言えます。
空回りが起きる前兆として、ノブを回すとき妙に軽くなったり遊びが大きくなる症状があることも覚えておきましょう。古いドアノブでこうした異変を感じたら、内部部品の劣化が進んでいる可能性が高いです。早めに点検し、必要なら新品への交換を検討すると良いでしょう。
鍵がかからない・施錠できない
ドアノブ一体型の錠前で鍵がかからない原因も、古いものではいくつか考えられます。代表的な原因を挙げます。
デッドボルトやラッチの不具合
鍵を回してもかんぬき(デッドボルト)が出てこない、またはラッチが固定されない場合、錠内部の部品破損やバネ不良が疑われます。例えばラッチ内部のバネが折れると、デッドボルトを正しく動かせず施錠不能になります。
扉と枠のズレ(建付け不良)
長年の使用でドアが下がったり枠が歪んだりすると、デッドボルトやラッチボルトがストライク(受け金具)の穴にうまく入らなくなります。この場合、鍵穴を回そうとしても物理的にボルトが遮られてしまい、鍵が最後まで回らない・施錠できない状態になります。特に蝶番の摩耗でドアが垂れ下がった古いドアに多い原因です。
鍵穴や鍵の劣化
鍵自体が古く摩耗していたり、鍵穴に埃が詰まってシリンダーが正常に動かない場合もあります。この場合は鍵を挿せても回せなかったり、回っても内部で引っかかってロックできないことがあります。
以上のように、部品の故障かズレに大別できます。まずはドアがきちんと閉まっているか、ボルトが穴に入る位置かを確認しましょう。建付けが原因ならストライク位置の調整や蝶番の修理で改善します。
一方、機構自体の故障なら修理や交換が必要です。鍵が空回りして施錠できないケースでは、シリンダーや錠ケースの劣化が多く、部品交換で対応することになります。
修理か交換か?古いドアノブの対処法を決める判断基準
古いドアノブにトラブルが起きてもいきなり交換するのではなく、修理で改善できるかチェックしてからにしましょう。もしかすると簡単にトラブルが改善する可能性があるかもしれません。
まずは状態をチェック
古いドアノブに不具合が起きたら、いきなり交換と決めつけずまず現状の状態をよく確認することが大切です。以下のポイントをチェックしてみましょう。
- ネジの緩み具合
ノブや台座にガタつきがないか触ってみて、緩んでいればネジを締め直せば直る可能性大です。 - 汚れとサビの程度
ノブの隙間や錠前にホコリが詰まって黒ずんでいないか、サビが浮いていないか確認します。汚れが原因なら掃除で改善できるでしょう。 - 部品破損の有無
ノブを外せる場合は外して、中の部品(角芯やバネ)が折れていないか観察します。明らかな破損があれば交換が必要です。 - 施錠テスト
鍵をかけたりボタンを押したりしてみて、ちゃんとロックできるか試します。施錠不良の場合は扉の歪みや内部故障を疑います
チェックすることで、「締め直しや清掃で直りそうか」「部品レベルの故障か」「全体が寿命か」を判断します。古いドアノブは一見不調でも、ネジを締めるだけや潤滑剤を吹きかけるだけでまだ使えるケースも多いので、まずは状態チェックから始めましょう。
修理で対応できるケース
点検の結果、次のような場合は部品交換や調整などの修理で対応可能です。
- ネジの緩みが原因
ノブやラッチがぐらつく程度なら、ドライバーでネジを締め直すだけで十分直ります。ネジ穴が緩んでいる場合も、爪楊枝を詰めるなど簡易補修で対処できます。 - 汚れ・潤滑不足が原因
ドアノブ内部の埃詰まりやグリス切れが原因なら、パーツクリーナーで洗浄し鍵穴専用スプレーを吹くことで動作が改善します。動きが渋い程度ならこれでスムーズになることが期待できます。 - ドアの建付け不良
扉の歪みで鍵がかからない場合、ストライク(受け金具)の位置調整や蝶番の調整で解決可能です。軽度のズレであれば削ったり調節したりして対処できます。 - 軽微な部品破損
部品の一部(例:ラッチボルトのバネなど)だけ壊れている場合、該当部品を取り寄せて交換できれば修理で済みます。メーカー在庫がある型番なら部品注文できることもあります。
原因が明確で、交換部品の入手や調整が比較的容易な場合は、無理に新調しなくても修理対応で済ませられます。特に室内ドアノブであれば、防犯上多少不調でも応急対応で延命して使うことも可能です。「状態チェック → 原因特定 → 修理可能か判断」の流れで進めてみましょう。
交換すべきケース
一方、以下のようなケースではドアノブ本体ごと交換した方が良いでしょう。
- 主要部品の破損
角芯が折れた、ノブ内部のロック機構が壊れたなど、ドアノブの中核部品が故障している場合。部分修理は困難で、安全に使うには新品交換が確実です。 - 深刻な劣化・サビ
ノブや錠ケース全体が錆び付いていたり、経年摩耗でグラグラ&ガタガタの状態になっている場合。表面だけでなく内部も相当痛んでいるため、交換時期と判断できます。 - メーカーが既に廃番
古い型で部品が入手不能な場合です。例えば昭和のサムラッチ錠など既に廃盤となっている製品は交換部品がなく、同等品へのまるごと交換が必要です。 - 何度も不具合を繰り返す
締め直しや清掃をしてもすぐ緩んだり再発する場合、構造的に寿命です。根本解決には新しいドアノブに替えるほかありません。 - そもそも使いにくい
鍵がかかりにくい・固いなどストレスが大きいなら、無理に古い物を維持せず交換した方が快適になります。
特に故障が致命的な場合や、安全性に関わる場合は、迷わず交換を検討すべきです。古いドアノブを長年使っていると、どこかの部品が壊れると他も連鎖的に不具合が出ることが多く、修理より交換の方が結果的に安心で経済的なこともあります。
防犯性・利便性の観点から考える交換のタイミング
古いドアノブは直せば使えるケースもありますが、防犯面・使い勝手の面から敢えて交換を検討するタイミングもあります。
防犯性が気になる
前述の通り、古い玉座錠やインテグラル錠は防犯性能が低く、玄関に使うにはリスクがあります。ピッキング対策や二重ロックの観点では、最新のシリンダー錠や補助錠付きの錠前に交換するだけで格段に安全になります。空き巣被害を未然に防ぐためにも、古い玄関ノブは早めに交換する価値があるでしょう。
利便性を向上させたい
古い握り玉式は握力が必要で、高齢者やお子さんには開けにくい場合があります。これをレバーハンドル型やプッシュプル型に替えれば、軽い力で操作できバリアフリーに繋がります。実際、リフォームの際に「握り玉からレバーに変更」する例も増えています。また表示錠のない昔のトイレノブを、使用中表示付きのものに交換すれば安心感が高まる、といった利便性向上も交換の動機になります。
ドアノブをオシャレにしたい
アンティーク風の趣があれば別ですが、単に古びて汚いだけのノブなら新品に替えることでドア周りの印象が明るくなります。
特に部屋のリフォームや模様替え時には、ドアノブ交換もぜひ検討してみましょう。 要するに、防犯上の弱点を補いたい時や、生活のしやすさを向上させたい時が交換の好機です。たとえ壊れていなくても、より安心・快適を求めて計画的に交換するのも一つです。
古いドアノブを修理・メンテナンスする方法(DIY)
古いドアノブの不具合が軽微な場合は、自分で修理・メンテナンスしてみることも可能です。以下にDIYでできる基本的な対処法を順に紹介します。
なお、自分で修理する方法は以下の記事でも詳しく解説しています。併せてご確認ください。
ネジの締め直しでぐらつきを解消する手順
ドアノブのぐらつきはネジを締め直すだけで直る場合がほとんどです。方法はシンプルですが、ノブの種類によってネジの位置が異なるため注意しましょう。
- 固定ネジを探す
ドアノブや台座(丸座)の表面にネジ穴が見えていれば、そこに固定ネジがあります。プラスドライバーで内側・外側双方のネジを順に締めましょう。ノブがしっかり固定され、ぐらつきがなくなるまで締めます。 - ネジが見えない場合
円筒錠など丸座にネジが露出していないタイプでは、まずドアノブ本体と台座カバーを外す必要があります。ノブの根元に小さな穴があれば千枚通し等の細いピンを差し込み、ノブを引き抜きます。これでノブが外れたら、次に丸座(飾り座)をマイナスドライバーでこじって外します。すると台座を固定するネジが現れるので、内外2本のネジをしっかり締めましょう。締め終わったら外した逆手順で丸座とノブを元通り取り付けて完了です
- バーハンドルの場合
レバー型も見えるネジがあるタイプはそのまま締めます。カバーで隠れている場合はレバーや座を外してネジを締めます(基本は握り玉式と同様の手順です)。ネジ締めの際は、適切なサイズのドライバーを使用しましょう。大きすぎるドライバーだとネジ山を潰す恐れがあるため、プラスなら#2サイズ程度を使うのが一般的です。また、グッと強く締めすぎると次回緩められなくなったりネジ頭をなめてしまうので、「きつすぎず緩くない」適度な力加減で止めます。ネジを締め直せば、多くの場合ぐらつきがピタリと収まり、ドアノブがしっかり安定するはずです。
潤滑剤の使用と内部の清掃で動作を改善する方法
ノブの回転が渋い、鍵の動きが悪いといった症状には、清掃と潤滑によるメンテナンスが有効です。以下の手順で行いましょう。
- ホコリの除去
ドアノブやラッチの隙間に溜まったホコリをまず取り除きます。エアダスター(スプレー式の空気吹き)を吹き付けたり、綿棒で掻き出したりして、見える範囲のゴミを掃除します。可能であればノブや錠ケースを一度外し、パーツクリーナー(速乾性の洗浄剤)を吹き付けて中の汚れを洗い流すと効果的です。古いグリスや埃をしっかり落としましょう。 - 潤滑剤を塗布
清掃後、錠前内部やラッチ機構に鍵穴用の潤滑スプレー(シリコン系やテフロン系)を噴射します。鍵穴やノブの隙間から適量差し込み、ノブを回したりラッチを出し入れしたりして馴染ませます。潤滑剤は「鍵穴専用」を必ず使用し、クレ556や食用油は厳禁です。不適切な油は埃を呼び、かえって動きを悪くするためです。 - 動作確認
ノブを何度か回してみて、スムーズに回転するか、ラッチが軽快に出入りするか確認します。渋かった動きが改善し、引っかかりが取れていれば成功です。まだ渋い場合は再度洗浄・潤滑を繰り返すか、それでもだめなら部品の劣化が疑われます。
このように掃除+注油はドアノブの基本メンテナンスです。特にトイレやお風呂のノブは石鹸カスや湿気で内部が汚れやすいので、定期的なお手入れで長持ちさせることができます。「最近鍵が引っかかる」「ノブの戻りが悪い」と感じたら、一度内部清掃と潤滑を試してみましょう。それで改善すれば交換せずに済みますし、動きが滑らかになると日々のストレスも軽減されます。
古いドアノブを交換する方法(DIY)
不具合が深刻だったり、防犯・利便性向上のために古いドアノブ自体を交換する場合、DIYで作業することも可能です。ここでは一般的な室内ドアノブを例に、新しい製品への交換手順を解説します。
なお、ドアノブを自分で交換する方法は以下の記事でも詳しく解説しています。併せてご確認ください。
交換用ドアノブの選び方
まずは交換用のドアノブを用意しますが、適合する製品選びが肝心です。古いドアノブを交換する際は、基本的に「同じ型式・同じサイズ」のものを選ぶとスムーズです。具体的には以下のポイントを確認しましょう。
- 扉の厚み
対応する扉厚が製品ごとに決まっています(例:30~40mm対応など)。現在の扉厚に合うものを選びます。 - バックセット
扉端からノブ中心までの距離(バックセット)が一致するものを。一般的に51mmや64mmなどが多いです。これが違うと穴位置が合わず取り付けできません。 - 取り付け穴径・ビスピッチ
既存の穴(ノブを通す穴とネジ穴)の大きさ・間隔に合うものを選びます。規格が合わないと加工が必要になり、DIYでは難しくなります。 - 錠前の種類
今と同じ構造(円筒錠→円筒錠、表示錠→表示錠など)なら交換が容易です。種類を変えると穴開け直しなど大工事になる場合があります。
可能であれば、古いドアノブのメーカー名や品番を調べて同等品を探すのが確実です。同じメーカーの後継機種なら、古い穴をそのまま利用できる場合が多いです。一方、古すぎて廃番の場合はサイズが近い汎用のドアノブを選ぶことになります。その際は上記寸法をしっかり測っておきましょう。サイズの合わない交換はDIYでは難しく、プロの加工が必要になることがあります。
用意する工具と部材
交換作業に必要な道具類を準備します。基本的には以下の2つのドライバーで足ります。
- プラスドライバー
No.2程度(中サイズ)のもの。ネジを外す際に使用。 - マイナスドライバー
小さめのもの1本。丸座やカバーをこじ開けるのに使います。
必要に応じて、細いキリや千枚通し(円筒錠のノブを外す穴に差し込む道具)もあると便利です。また新しいドアノブ一式(ノブ、錠ケース、付属ネジ類)を用意します。 作業前に古いドアノブ付近の汚れを拭き掃除しておくと、交換後に綺麗な状態で取り付けられます。
あとは誤ってドアが閉まらないようストッパーや重しでドアを固定し、養生テープなどでネジや部品を落としても探しやすいよう床面を保護しておくと良いでしょう。
古いドアノブの取り外し手順
それでは古いドアノブを外していきます。一般的な握り玉タイプを例に、順序を追って解説します。
- 内側ノブの固定ネジを外す(ネジが見えている場合)
室内側のノブや座についているビスをプラスドライバーで外します。ネジを取るとノブが緩むので、ノブ本体を引っ張って抜き取ります。同様に外側のノブも引けば外れます。 - 丸座(台座カバー)を外す
ノブを外すと丸い座金(カバー)が残っているので、マイナスドライバーをその縁のくぼみに差し込み、テコの原理でこじって外します。内側・外側両方のカバーを取り外しましょう。これで錠前を固定しているネジ頭が露出します。 - 錠前(台座)のネジを外す
露出した内側の台座固定ネジを外します。通常2本のビスで両側の台座が締結されているので、これらを外すと内外両方の台座(金属プレート)が外れます。 - ラッチケースを外す
最後にドア側面のフロントプレート(ラッチを覆う板)のネジを外し、ラッチケースごと引き抜きます。これで古いドアノブ一式の取り外し作業は完了です。
もし円筒錠タイプでネジが最初見当たらない場合は、以下の手順になります。
- ノブの付け根にある小穴にキリ等を差し込み、ノブを引いて外す(内外とも)。
- 丸座のくぼみにマイナスドライバーを入れ、こじって丸座を外す。
- 台座の固定ネジ2本を外し、台座を撤去。
- ドア側面からラッチケースを外す。
作業中に外したビス類は無くさないよう管理してください。古いネジは新しいセットに含まれる場合不要ですが、念のため手元に置いておきましょう。以上で古いドアノブのパーツが全て取り外せ、ドアには穴だけが残った状態になります。
新しいドアノブの取り付け手順
続いて、新しいドアノブを取り付けます。基本的には外した時と逆の手順で行います。
- 錠ケース(ラッチケース)を取り付ける
新しいラッチケースをドアの側面穴に差し込みます。この時、ラッチボルトの斜面がドアが閉まる方向(ドア枠側)に向いていることを確認します。位置が決まったらフロントプレートをネジで固定します。 - 内側(または外側)台座を取り付ける
内側からノブ軸(角芯)やシリンダーが通る部品を錠ケースに合わせて差し込みます。製品によりますが、内側と外側の台座部品をドアに挿入し、互い違いに噛み合わせるようにセットします。この際、サムターン付きの場合はサムターン(内側つまみ)が縦向きになるよう注意して挿入します。縦位置が基本のロック解除向きです。 - 台座同士をネジ留めする
内側の台座に付属のビスを通し、外側の台座と締結します。ネジを仮締めしたら、ドアノブを持ち上げ気味にして位置を調整しつつ本締めします。こうすることでノブが垂れず、正しい位置で固定できます。 - カバーとノブを取り付ける
台座固定後、飾り座(丸座カバー)を内外ともにパチンとはめ込みます。最後にノブ本体を軸に差し込み、所定の位置で固定(ビス留め、またはカチッと嵌めるタイプなら押し込む)します。外れ止めのピン穴式なら、押し込みながらカチッと鳴るまで入れます。
以上で交換作業は完了です。ノブを回してラッチが出入りするか、鍵をかけてみて正常に施錠できるか動作確認しましょう。スムーズに動けば新しいドアノブの取り付け成功です。もし動きが渋い場合はネジの締め具合を微調整したり、サムターンの向きを再確認してください。
取り付け完了後、古いドアノブ一式は念のため保管しておくと良いでしょう。万一新しいものに不具合が出た際の部品取りに使えたり、処分依頼する際に型番を伝える手掛かりになります。
ドアノブ交換を自分で行うときの注意点
ドアノブを自分で行うときにはいくつかの注意点があります。注意点に気を付けることで失敗するリスクが下がります。
作業中はドアを閉じない
これは修理の場合と同様、交換作業中もうっかりドアを閉めてしまうと開けられなくなる恐れがあります。ノブやラッチを外している途中では絶対に扉を閉めないよう、ドアストッパーを使うなど徹底してください。
古いネジの再利用に注意
新しいドアノブに付属のネジは必ず使い、古い錆びたネジはなるべく使い回さない方が良いです。どうしても古いネジ穴がバカになっている場合は、爪楊枝等で補強してから新ネジを締めるなど工夫しましょう。
ドアノブが合わないと思ったら無理しない
交換途中で「あれ、ドアノブが合わない?」と感じたら、無理に取り付けを進めず一度確認をしましょう。例えば穴径が違って入らない、ビス穴位置が合わない等は、素人作業で穴を広げたりするとドアを傷めかねません。こうした場合は無理にDIY続行せず専門業者に相談することも大切です。
部屋の中から作業する
トイレや浴室など内側から鍵がかかる部屋のノブ交換では、原則室内側に入って作業します。万一途中でトラブルが起きても外から助けてもらえるよう、家族に声をかけておくと安心です。
以上の点に気を付ければ、DIYでも十分ドアノブ交換は可能です。サイズさえ合っていれば作業自体は難しくなく、戸建て室内扉の交換であれば1箇所あたり30分~1時間ほどで完了するでしょう。焦らず確実に取り組んでください。
業者に依頼する場合のポイントと費用相場
自分での修理や交換が難しい場合は、鍵の専門業者やリフォーム業者に依頼することになります。ここでは業者依頼する際のポイントや費用の目安を解説します。
専門業者に依頼した方が良いケース
次のようなケースでは、最初から専門の鍵業者や工務店に依頼した方が安心です。
玄関や勝手口などのドアノブ交換
玄関ドアには複雑な錠前(例:サムラッチ錠、モルタル埋込錠など)が使われていることが多く、DIYでの交換は困難です。防犯上も重要なので、プロに任せた方が確実でしょう。
サムラッチ錠・プッシュプル錠など特殊なタイプ
れらは精巧な構造であるため、自分で交換するのが難しいタイプです。メーカーも限られ調整もシビアなので、専門知識のある業者に依頼するのが無難です。
ドアや枠の加工が必要な場合
新しいドアノブのサイズが合わず穴を広げる・位置を変える必要がある場合、素人では対応困難です。工具と技術の揃ったプロに頼むべきケースと言えます。
自分での作業に不安がある場合
仕組みが分からない、失敗が怖いと感じたら無理せず依頼しましょう。無理な挑戦で扉が開かなくなったら元も子もありません
このように高度な作業・防犯性能が絡む作業・自信がない作業は、プロに任せる判断も重要です。専門業者なら適切に対処できますので、ケースバイケースで見極めましょう。
業者に依頼するメリット
プロに依頼すると費用はかかりますが、その分多くのメリットがあります。
確実で安心な仕上がり
経験豊富な業者であれば、不具合の原因を的確に見抜き、適切な修理・交換をしてくれます。自分ではわからない問題箇所もプロなら発見し、再発防止まで考えた処置が可能です。仕上がりの確実性という安心感は大きなメリットです。
時間と手間の節約
自力で悪戦苦闘すれば半日かかる作業も、プロなら短時間でサクッと終わる場合があります。実際、鍵屋なら依頼から30分程で到着し迅速に修理してくれることもあります。忙しい人や急いで直したい場合は、圧倒的に時間を節約できます。
適切な提案が受けられる
古いドアノブを交換する際、プロはより防犯性の高い製品や使いやすい製品を提案してくれます。「このタイプはもう製造がないので代替品はこちら」「玄関なら補助錠も付けましょうか」など、素人には思いつかない改善策も提示してもらえるのはメリットです。
アフターサービスや保証
業者によっては一定期間の施工保証が付きます。万一不具合が再発しても無償で対応してもらえることがあり、DIYにはない安心感です。特に玄関など重要な箇所は保証付き施工が望ましいでしょう。
ドアノブ修理・交換の費用相場
気になる費用ですが、ドアノブの修理・交換は作業内容によって幅があります。一般的な鍵業者に依頼した場合の費用相場は以下の通りです。
ドアノブの修理(緩み調整や簡単な部品交換)
約8,000~16,000円(税込)程度が相場です。握り玉・レバーいずれもこの範囲内が多く、作業料8,800円+部品代といった料金設定が一般的です。
ドアノブ交換
約11,000円~+部品代が目安です。作業費1.1万円ほどに、新しいドアノブ本体の価格が加算されます。部品代は製品によりますが室内錠なら数千円、玄関用高性能錠なら1~3万円ほどです。
特殊な錠前の修理/交換
プッシュプル錠やサムラッチ錠になると、修理で最大4~5万円、交換は部品代含め5万円以上になるケースもあります。これは製品代が高価なためで、一般的な室内ノブ交換とは別枠と考えてください。
なお出張費や見積料については業者により異なります。最近は「出張料・見積無料」を謳う業者も多いですが、中には別途請求のところもあるので、依頼前に確認しましょう。夜間早朝は割増料金となる場合もあります。
おおむね1~2万円前後を想定しておけば、普通のドアノブ交換なら対応できるでしょう。複数社で見積りを取ると安心です。安すぎる業者は逆に追加料金を後出しする恐れもあるので、適正価格の業者を選ぶことも大切です。
古いドアノブの適切な対処で安心・快適な暮らしを
古いドアノブは経年劣化によるトラブルが起きやすいものです。代表的な種類と特徴を知れば、自宅のドアノブの構造や弱点が見えてきます。動きが渋い・ぐらつく・空回りする等の症状も、原因を把握すれば修理で対処できるのか交換すべきかの判断がつきます。 まずはドアノブの状態を点検し、ネジの締め直しや清掃・潤滑など簡単なメンテナンスを試みましょう。ちょっとしたDIYで直るケースも多く、費用ゼロで改善できる可能性があります。
しかし無理は禁物で、部品破損や防犯上の不安がある場合は早めの交換を検討することも大切です。古い握り玉をレバーに替えるだけでも使い勝手は格段に向上し、防犯性もアップします。
ドアノブの交換はDIYでも可能ですが、難しいと感じたら専門業者に依頼するのが確実です。費用はかかってもプロの確実な仕事で安心感を得られます。作業中の注意点を守りつつ、自分で挑戦するところとプロに任せるところを見極め、賢く対処してください。
もしドアノブ交換ができる鍵屋をお探しなら鍵屋の鍵猿がおすすめです。年中無休で対応してくれて、北海道から沖縄までほとんどのエリアに対応しています。緊急時でもクレジットカード決済が可能なのも嬉しいですよね。
実績も豊富で年間10万件の問合せがあり、有名企業や官公庁との取引もあるので安心できますね。今なら1,000円割引クーポンも配布中なので、費用を抑えたい方にもおすすめです。ドアノブのトラブルでお困りでしたら鍵屋の鍵猿に依頼してみてはいかがでしょうか。
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